大学のゼミの教授(とても博識なおっさん)がそうだったんです。
「ねぇねぇ高橋くん、来週の発表分のレジュメ作ってくれたかしら?」
これが、「高橋くん、来週の発表分のレジュメ作ってくれた?」とかだったら、どうもこのおっさんは偉そうで感じの悪い人間だなと思いました。
『言われなくても分かってんだよ! 黙って待ってろ!』とぐらいは、当時の僕なら思ったことでしょう。
でも、ねぇねぇとかしらがあるだけで、どうもこのおっさんは腰が低くて感じの良い人間だなと思いました。
このおっさんを困らせないためには、レジュメを作ってあげることも、やぶさかではないなと。
若かりし僕は、この「かしら?」という柔らかいという言葉がなければ、留年うんぬんの前に大学を卒業していた保証さえありませんし、僕を無事に正しく広い方向へと導いてくれたので、本当に感謝しています。
何気ない言葉って、本当に大切だなと。
これこそ、僕が信じる1つの魔法です。