損失回避バイアス、教育の難しさ

「失うことの悲しみ」と「手に入れることの喜び」を天秤にかけた際に、失うことの悲しみのほうが大きく感じてしまうという人の性質は、損失回避バイアスと呼ばれます。

これは経済学者のダニエルカールマンによって提唱された理論です。

子供たちに「将来のために勉強したほうがいいよ。そっちのほうが幸せになれるよ」と言い聞かせても、子供たちにとっては「いまスマホを使う喜びを失う」ほうがよほど嫌なんですね。

たしかに大人からすれば、非合理的な選択に感じるかもしれませんが、僕たちだって子供のころは当時の大人たちからみれば非合理的な選択をしてきたんでしょうし、きっと誰もが通る道なのかもしれません。

損失回避バイアスを使えば、正しい動機づけの方法は「〇〇ができたらご褒美をあげる」よりも、「○○が出来なかったらスマホを取り上げる」のほうが合理的ではあるんでしょうが、こんな冷たいやり方が正しいのかと問われれば……僕も首を傾げたくはなります。

だから子供を育てるって、難しいのかもしれません。

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